数時間前 研修中さらに激化する一八とカムイの戦いをパックマンが間一髪で食い止めたはいいものの、あの後も少し大変だった。
突然戦いを中断され怒りの矛先をパックマンに向けていたがパックマンの落ち着いた説得により一八も苛立ちながらもこれ以上の戦闘は無意味だと理解する
すぐさま去ろうとしていたがパックマンに呼び止められ彼から一枚の紙きれを手渡された。
そう、今回の研修の目的はスマブラへの参戦が決まった一八の実力を測るためであり参戦するだけの資格があるのか確かめるためだった。
その一部始終を見届けたパックマンは改めて確信した。彼は間違いなくスマブラの猛者達と十分に渡り合えると・・・
そして現在、なんとか無事に(?)研修が終わり、スマブラの世界に戻ってきたパックマン達はロビーで疲れを癒していた
「大丈夫ですパックマンさん!今日の研修の内容はちゃんとカメラに録画されていますよ。はいっ!」
元気よくビデオカメラをパックマンに差し出す未来
「サンキュー未来!もう日が暮れるしそろそろウチに帰った方がいいぞ。今日はオフなのに付き合わせちゃって悪かったな」
「いえいえ!私もお仕事したみたいで楽しかったです。それじゃお疲れ様でしたパックマンさん!カムイさんもお元気でっ!!」
そう言って未来はパックマンとカムイに大きく手を振りながら走り出してロビーを出ていった
傷を癒すためロビー内のベンチで佇むカムイ。パックマンは彼の肩をポンと叩く
「お前もよく頑張ったなカムイ、傷は治ったとはいえだいぶ疲れているだろう?」
「うん、僕の事はいいとして・・・一つ聞いていいかな」
不思議そうな顔をするパックマンに対してカムイは真剣な眼差しを向ける
「三島一八は・・・彼は家族に嫌な思い出でもあったんだろうか?」
カムイの質問にパックマンは珍しく重い面構えをした。
「彼は研修中に僕のことを『家族の為に戦うという偽善者』と言っていた。それを聞いて何かただならない事情があったことは考えられるよ・・・パックマン。アンタは住んでる世界は違えど彼の事は知っているんじゃないのか!?」
「———ああ、一八だけじゃなく鉄拳の世界のことはだいたい全部知ってるさ」
カムイの質問に冷静に答えたパックマンにカムイは緊張していた。もしかしたら事情を知れば一八を救えるのかもしれないと、そう思っていたが・・・
「でも悪いな、お前には教えられない」
パックマンの思いがけない返答にカムイは驚いた。パックマンは続けて話す
「今ここで・・・アイツの家庭事情を話したところでお前じゃ何もできやしないさ。知ってしまえばお前は今まで以上に後悔することになる
――――それでも構わねぇってんなら、三島家の全てを話してやろう」
「・・・・・・。」
カムイは顔を下に向けて悩んだ。あの常ににこやかなパックマンがここまで深刻な顔で話すほど重要な話なのだと
そして静かに瞼を閉じた後 カムイは顔を上げて答えた
「いいや、やめとく。これ以上この件に首を突っ込むのは遠慮しておくよ」
カムイが諦めたのを理解するとパックマンはいつものようなにこやかな表情に戻った。よく見ると少し冷や汗をかいていたようだけどカムイは黙っておくことにした
「分かってくれればいいんだよ!そもそもあの世界で行われてる格闘大会の開催目的はリュウやテリーみたいな生易しいもんじゃねーんだ」
「えっ それはどういう意味?」
「うーん そうだなぁ・・・」
パックマンは上を向いてこう呟いた。
一方 こちらは鉄拳の世界
G社に戻った一八は実父の三島平八が三島財閥党首の座に返り咲き、彼がThe King of Iron Fist Tournamentの開催を宣言した事を知る。
かつて自分と何度も死闘を繰り広げた平八と決着をつけるため様々な策を巡らす中
一八の懐には例の招待状を忍ばせており、彼はもう1つの決意をしていた
「いいだろう、平八との決着をつけたら奴らのお遊びに付き合ってやる・・・せいぜい楽しみにして待ってるがいい」